P/F比とは?計算方法と見方をわかりやすく解説|呼吸療法認定士の試験対策

こんにちは。学び舎編集部です。
P/F比は、PaO2をFiO2で割って求める、酸素化の程度を評価するための指標です。
式そのものはシンプルですが、呼吸療法認定士の試験対策では、FiO2の「50%」をそのまま50として計算しないことが重要です。
たとえば、
- PaO2:80 mmHg
- FiO2:40%
なら、FiO2を「0.4」に直して、
80 ÷ 0.4 = 200
となります。
この記事では、P/F比を初めて勉強する人でも計算できるように、
- P/F比とは何か
- PaO2とFiO2の意味
- FiO2を小数に直す方法
- P/F比の計算方法
- 計算した数値をどう読むか
- 試験で間違えやすいポイント
の順番で整理します。
血液ガスのpH・PaCO2・HCO3−から復習したい方は、先に血液ガスの記事を確認しておくと理解しやすくなります。
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P/F比とは?
P/F比とは、動脈血酸素分圧(PaO2)を吸入酸素濃度(FiO2)で割った値です。
P/F比を見ると、投与している酸素濃度を考慮しながら酸素化の程度を評価できます。計算式は次のとおりです。
P/F比 = PaO2 ÷ FiO2
ここで重要なのは、FiO2をパーセントではなく小数で計算することです。
| 項目 | 意味 | 例 |
|---|---|---|
| PaO2 | 動脈血中の酸素分圧 | 80 mmHg |
| FiO2 | 吸入気中の酸素濃度 | 0.4 |
| P/F比 | PaO2 ÷ FiO2 | 200 |
なぜPaO2だけではなくP/F比を見るの?
PaO2だけでは、どのくらいの酸素を投与して得られた値なのか分からないからです。
たとえば、同じPaO2 80 mmHgでも、
- 室内気に近い条件でPaO2 80 mmHg
- FiO2 0.8でPaO2 80 mmHg
では、酸素化の状態を同じようには評価できません。
同じPaO2でもP/F比は変わる?
はい。FiO2が違えばP/F比も大きく変わります。
たとえばPaO2が80 mmHgだった場合を比較します。
| PaO2 | FiO2 | P/F比 |
|---|---|---|
| 80 | 0.21 | 約381 |
| 80 | 0.4 | 200 |
| 80 | 0.8 | 100 |
PaO2はすべて80 mmHgですが、必要としている酸素濃度が高いほどP/F比は低くなります。
このようにP/F比を使うことで、「どのくらい酸素を投与して、そのPaO2になっているのか」まで含めて考えやすくなります。
P/F比はどうやって計算する?
計算は3ステップです。
Step 1:PaO2を確認する
まず、動脈血液ガスからPaO2を確認します。
例:
PaO2 = 90 mmHg
Step 2:FiO2を小数に直す
次にFiO2を確認します。
FiO2が50%なら、
50% → 0.5
に変換します。
Step 3:PaO2をFiO2で割る
あとは式に当てはめます。
90 ÷ 0.5 = 180
したがって、
P/F比 = 180
です。
FiO2はどうやって小数に直す?
%表示を100で割れば、小数のFiO2になります。
| FiO2(%) | 計算で使う値 |
|---|---|
| 21% | 0.21 |
| 30% | 0.3 |
| 40% | 0.4 |
| 50% | 0.5 |
| 60% | 0.6 |
| 80% | 0.8 |
| 100% | 1.0 |
試験では、この変換を迷わずできるようにしておくのがおすすめです。
なぜ「50」のまま計算してはいけない?
FiO2は「吸入気に含まれる酸素の割合」を表します。
50%なら、割合としては0.5です。
したがって、
PaO2 ÷ 50
ではなく、
PaO2 ÷ 0.5
と計算します。
「%を見たら、まず小数へ直す」と覚えておくと計算ミスを防ぎやすくなります。P/F比の数値はどう見る?
基本的には、P/F比が低いほど酸素化障害が強い方向と考えます。
たとえば、
- P/F比 400
- P/F比 200
- P/F比 100
を比較すると、100の方がより強い酸素化障害を示す方向です。
P/F比はARDSでも使われる?
はい。P/F比はARDSの酸素化評価にも用いられてきた重要な指標です。
ARDSのBerlin定義では、PEEPまたはCPAP 5 cmH2O以上という条件のもと、P/F比によって酸素化障害を分類します。
| P/F比 | Berlin定義での分類 |
|---|---|
| 200超〜300以下 | 軽症 |
| 100超〜200以下 | 中等症 |
| 100以下 | 重症 |
ただし、P/F比だけでARDSと診断するわけではありません。
発症時期、画像所見、肺水腫の原因など、ほかの条件と合わせて判断します。
また、ARDSの定義はその後も更新が提案されており、現在はSpO2/FiO2を利用する考え方や、高流量鼻カニュラ使用中の患者を含める考え方も示されています。
呼吸療法認定士の試験対策では、P/F比の計算そのものと、酸素化評価に使う指標であることをまず確実に押さえるのがおすすめです。
室内気ならP/F比はいくつになる?
室内気のFiO2は一般に約0.21として扱います。
たとえば、
PaO2 = 100 mmHg
なら、
100 ÷ 0.21 ≒ 476
です。
ここでも「21」で割らないことがポイントです。
PaO2が同じならFiO2が高いほどP/F比はどうなる?
低くなります。
たとえばPaO2を100 mmHgで固定すると、
| PaO2 | FiO2 | P/F比 |
|---|---|---|
| 100 | 0.25 | 400 |
| 100 | 0.5 | 200 |
| 100 | 1.0 | 100 |
となります。
つまり、
同じPaO2を維持するために高いFiO2を必要としているほど、P/F比は低くなる
と整理できます。
呼吸療法認定士のP/F比問題ではどこを間違えやすい?
特に注意したいのは、次の3点です。
1.FiO2を%のまま計算してしまう
最も基本的なミスです。
FiO2 40% → 0.4
へ変換してから計算します。
2.PaO2とSpO2を混同する
P/F比の「P」はPaO2です。
通常のP/F比は、
PaO2 ÷ FiO2
で求めます。
SpO2を使う場合はP/F比ではなく、別の指標として**S/F比(SpO2/FiO2)**があります。
3.数字だけ暗記して意味を理解していない
計算式だけ覚えていると、少し形を変えられた問題で迷いやすくなります。
まず、
P/F比が低い → 酸素化が悪い方向
という意味までセットで理解しておきましょう。
P/F比を覚えるなら血液ガスと一緒に勉強した方がいい?
一緒に勉強するのがおすすめです。
P/F比で使うPaO2は、動脈血液ガスで確認する項目のひとつです。
血液ガスでは、
- pH
- PaCO2
- HCO3−
- PaO2
などを確認します。
酸塩基平衡と酸素化は別々に整理する必要がありますが、同じ血液ガスデータの中に出てくるため、まとめて学習すると理解しやすくなります。
血液ガスの読み方から復習したい場合は、血液ガスの読み方を5ステップで整理|呼吸療法認定士の血ガス対策も参考にしてください。
P/F比は計算式を覚えるだけで十分?
計算式に加えて、「何を評価しているのか」まで理解しておくことが大切です。
最低限、次の4点をセットで押さえましょう。
- P/F比 = PaO2 ÷ FiO2
- FiO2は%ではなく小数で計算する
- P/F比は酸素化評価に使う
- P/F比が低いほど酸素化障害が強い方向
ここまで理解できれば、単純な計算問題だけでなく、数値の意味を問われる問題にも対応しやすくなります。
まとめ:P/F比は「PaO2 ÷ FiO2」を意味とセットで覚えよう
- P/F比 = PaO2 ÷ FiO2
- FiO2 40%なら0.4として計算する
- P/F比が低いほど、酸素化障害が強い方向を示す
- PaO2だけでなく、どのFiO2で得られた値かを見る
- ARDSではP/F比も重要だが、P/F比だけで診断するわけではない
P/F比は、式だけを見ると難しくありません。
一方で、FiO2の換算やPaO2との関係を理解せずに公式だけ覚えると、問題の条件が変わったときに迷いやすくなります。
「FiO2を小数へ直す → PaO2で割る → 数値の意味を考える」
という流れを繰り返して身につけましょう。